「少量のアルコールは体に良い」は誤り?

「少量のアルコールは体に良い」は誤り?

昨年発表された「Alcohol and arterial stiffness in middle-aged and older adults: Cross-sectional evidence from the UK Biobank study 中高年におけるアルコールと動脈硬化:英国バイオバンク研究による横断的エビデンス」

という文献の中で、「少量のアルコールは体に良い」というのは誤りではないかという研究が発表されました。

内容の要約は以下のとおりです。

-----------------------------

動脈硬化とアルコール摂取量の関連性については、依然として議論が続いています。本研究では、ビール/サイダーのみを摂取する男性と赤ワインのみを摂取する女性を対象に、連続解析を実施し、この関連性を調査しました。

本横断研究は、40~69歳の参加者を対象とし、ビール/サイダーのみを摂取する男性9,029名と赤ワインのみを摂取する女性6,989名を対象としました。アルコール摂取量は自己申告式質問票を用いて記録し、1週間あたりの摂取量(1摂取量=純エタノール10mL)として報告しました。動脈硬化指数(ASI)は光電式容積脈波記録法を用いて推定しました。

動脈硬化とアルコールの間には、男性のビール/サイダー摂取量、女性の赤ワイン摂取量にかかわらず、正の線形関係が認められます。しかし、いかなる量のアルコール摂取量であっても、動脈に有益な効果をもたらすという考えを裏付ける証拠は存在しませんでした。

-----------------------------

 

赤ワインのポリフェノールについても言及されていますが、リスクの増大と比較すると、無視できるレベルだそうです。

私自身も、この2年ほど殆ど酒を飲まなくなりましたが、明らかに体調は良くなっているので、実感としても酒は体に良くないと感じています。

なお、この研究には異論もあり、さらに多くの方が研究を重ねていく中で、今後結論が出ることでしょう。