『鍼灸の鍼は痛い? 鍼の太さと痛みの関係について②』

『鍼灸の鍼は痛い? 鍼の太さと痛みの関係について②』

 

前回からの続きです。

前回、適材適所で鍼を使い分けているという話をしました。

 

じゃあ、鍼を刺すのは痛くないのか?

というと、それは少し違います。

 

基本、鍼の太さと痛みがあまり関係がないということはおわかりいただけたと思いますが、刺した瞬間に痛いのは、施術者が下手か、使っている鍼が粗悪品かのどちらかです。

しかし、鍼を患部に刺入していくと、いわゆる「響き」ということが起きます。

 

これは、よく患者さんに対して豆腐とこんにゃくに包丁を入れたときの感触に例えて話しますが、豆腐に包丁入れてもスッと入って、抵抗ないですよね?

でもこんにゃくだと、少し力を必要とするはずです。それはこんにゃくは豆腐に比べて少し硬く、切れにくいからなんですね。

鍼灸の鍼でもこれと同じようなことが言えます。

 

同じ鍼を打っても、問題のないところに刺入しても患者さんはあまりわからない程度なんですが、例えば、ぎっくり腰の施術で腰の患部の大きな筋肉に刺入すると、刺した瞬間はなんともないのに、2−3cm進むと、「ズーン」といういわゆる響きが起こります。

 

これが鍼灸でいうところの「痛み」と言えば、そうだと思います。

 

従って、「鍼は痛くない」とは断言できないのが心苦しいのですが、経験的には筋肉の問題に対して鍼を使うときは、この「響き」がないと効きが悪いです。

きちんと響いた時は、確かに痛いのですが、その後は驚くほど軽くなります。

今まで動かなかった方がスルスル動き出したり、痛かった腰が信じられないほど軽くなったり。

 

誤解していただきたくないのは、鍼の刺し方には大きく二つ

①経穴 いわゆる「ツボ」に対して浅い鍼を打つ方法

②筋肉や神経に対して、深い鍼をうつ方法

があります。

私はこの二つの方法を使い分けて施術をしています。

実はこれ以外にも色々あるんですが、今回は割愛します。

 

響きが必要なのは、②の方の打ち方で、①に関しては細めの針を浅く打ちますので、響くことはありません。

 

つまり、同じ痛みでも、刺入時の痛みは「不要な痛み」

施入後の狙った「響き」は「必要な痛み」

という事が言えると思います。

 

最後に鍼の安全性について、ご紹介しておこうと思います。

 

「鍼を刺す」

と聞くと、それだけで震え上がってしまって、「絶対嫌!」という方も少なからずおられるのですが、そういう方にいくら鍼が安全だとご説明しても、理解はしていただけないと思います。

 

私だって、コンタクトレンズを装着するのは怖いし、麻酔を必要とする手術も受けたく無いですが、経験した事のある方は、コンタクトレンズも、手術もそんなに危ないものじゃ無いことはお分かりですよね?

 

まあ、鍼もそれと同様に考えていただくしか無いと思います。

 

鍼灸師は、鍼を安全に施術するために、どうすれば危険か。何をしてはいけないか。ということについてきちんと学んでいます。

国家資格ですから。

 

それと、そんなに危険なものなら、3000年も続かないはずなのです。

 

私も数多くの症例を見てきましたが、西洋医学的にはなんともならない症状が、鍼で1発で治る、というのは決して珍しいことではありません。

 

鍼が怖いという方には、ご納得いただけるまで、ご説明をさせていただきます。

 

ただ、忘れてほしく無いのは、私たち鍼灸師は、あなたの笑顔のために、一生懸命施術をしています。

 

鍼が苦手、怖いという方、鍼灸師の腕を信じて是非、施術を受けて見てください。

 

いぶき館は、あなたの笑顔のために全力を尽くします。