コールセンター勤務者に多い耳鳴 ヘッドセットと耳鳴の関係についての考察③

コールセンター勤務者に多い耳鳴 ヘッドセットと耳鳴の関係についての考察③

 

さていよいよ最終回です。

 

前回、耳顳区(じしょうく)のことをご紹介しました。

 

なんでこんな話をするかと言いますと、実はたまたま同じ時期に耳鳴の症状で来られた患者様がお2人居られまして、しかもお二人ともコールセンターのご勤務。

 

なおかつ、発症しているのが右耳で、最初の患者さんが耳の上あたりに違和感を訴えられたことから、気になってはいたのですが、お二人目も同様のことを話されたので、もしやと思い、コールセンターの同僚の方に確認いただいたところ、同じような症状でお困りの方がおられることがわかりました。

 

ヘッドセットというのは、右の図の様に、左側にヘッドホンとマイクがあり、右の耳は空いている状態で、右耳の上あたりにアームを引っ掛けで頭部に固定する仕組みのものがほとんどです。

つまりヘッドセットの固定する部分で右耳の上の耳顳区(じしょうく)を圧迫し続けたことが原因の一つではないかと考えたわけです。

 

そこで、お二人には、右耳の上の圧迫している部分にコットンなどを挟み、圧迫を弱める工夫をしてもらったところ、症状が楽になったのです。

 

また、看護師さんでも同じような事例が見られました。

看護師さんなので、当然ヘッドセットは使わないのですが、この方の場合、勤務中はコロナたい策のために密閉度の高いマスクとゴーグルを一日中していて、水を飲むためにはずすのが躊躇われるほどの装備で仕事をされているそうです。

 

実はこのかた、11月に一度来院されていて、その時は耳鳴りが1回で改善したとの事で、2回目の来院は1ヶ月半ほど経過してからでした。

ところが2回目はあまりはリセ術の効果が出ず、どういう事なのだろうと、仕事の状況などを伺ったところ、上記のような状態だということが判明しました。

 

マスク、ゴーグルなどをきっちりはめると、当然、先ほどご紹介した耳顳区(じしょうく)を圧迫し続けることになります。

そして、この看護師さんの場合、前回のご来院時はコロナ対策が緩和されて、マスクを外していた期間だったそうなのですが、今回はまたコロナ対策が強化され、マスク、ゴーグルでの完全防備状態で仕事をしているとの事でした。

 

つまり、前回は耳顳区(じしょうく)への圧迫が少ない時に施術を受けて1回で治り、

今回は圧迫が多い時に施術を受けて、効かなかったという事なのです。

 

これらの例を踏まえて、私は、耳顳区(じしょうく)への圧迫が耳鳴の要因の一つとして考えられるのではないかと考えています。

もちろん全ての耳鳴りが耳顳区(じしょうく)の問題で起こるわけではなく、大半は難聴が根本原因であろうと考えていますが、この二つに関しては初診の段階で十分に患者さんのお仕事の仕方なども伺った上で切り分け、対応を変えていく必要があると思います。

 

なお、当院では、耳顳区(じしょうく)の圧迫が根本原因の場合、この部分に特殊な電気刺激を入れて、施術を行います。

現状では、効果があるようですので、このまま経過を観察しながら、他に用意方法があれば取り入れていきたいと思います。

 

耳鳴でお困りの方。

あなたは日常的に耳上方の側頭部を圧迫しるような状態にありませんか?

心当たりのある方は、圧迫を軽減し、この部分をマッサージするなどしてみてください。

 

もちろん、当院でも施術を行うことは出来ますので、いつでもお気軽にご相談ください。

 

いぶき館はあなたの笑顔のために全力を尽くします。