体重が急に減ったら・・・

みなさん。

何もしてないのに、体重が急に減ったらどうしますか?

 

喜ぶ!と言う方も多いかと思いますが、生活習慣を変えていないのに体重が急に減ると言うのは、実は非常に危険なサインです。

 

東洋医学では、西洋医学と違って計測機器を使う事なく、色々な情報から体の変化を読み取り、患者さんの問題の根本原因を探るのですが、体重の急激な減少と言うのは、最も注意しなければならない兆候です。

 

体重が急激に増える、と言う場合、ほとんどの方は、運動不足、不規則な食事、偏った食生活、食べ過ぎ、等、様々な原因が思い浮かぶものです。

その為、体重の急激な増加は急を要する大きな病気につながることは少ないです。

もちろん、無いわけではありませんので、原因を特定する必要はありますが。

 

一方、体重が急激に減る場合も、食事制限をしているとか、仕事が忙しくて、ろくに食事がとれていない、などの原因がはっきりしている場合は良いのですが、そうで無い場合。

生活習慣は特に変化がないのに、1ヶ月で5kg以上体重が落ちた。と言われると、その原因が重篤な疾患である可能性を疑う必要があります。

 

体重が急激に減少する疾患は、

・甲状腺機能亢進症

・糖尿病

・がん

などが候補として上がってきますが、今回は糖尿病とがんについてご紹介したいと思います。

 

糖尿病は、別名silent sickと呼ばれるほど、その初期においては無症状なので、知らない間に体を蝕んでいきます。

糖尿病の一番怖いところは、血糖値が高くなる事ではなく、高血糖によって、身体中の毛細血管が壊れていくことなのです。

毛細血管が多いのは、手足の指の先、そして網膜です。

その為、糖尿病が進行すると、視力障害が出たり、手足の痺れ、痛みなどの症状に苦しめられる事になるのです。

命に関わることはないのですが、全身に様々な問題を起こすため、1日も早く対処することが大切です。

 

最後に、がんです。

癌になると、がん細胞が爆発的に増加し、体のエネルギーを消費するため、体重の急激な減少がみられることが多いです。

 

癌については、みなさんよくご存知のことと思いますので、多くは書きませんが、急激な体重減少というのは、このように重篤な疾患のサインである場合がります。

 

実は1ヶ月半ほど前にお越しになった患者さんから、奥様の急激な体重減少の件でご相談を受けまして、私としては糖尿病か、がんの可能性をまず否定する必要があるので、1日も早く病院で検査を受けるようお勧めして居ました。

その患者さんが、本日来院され、経過を伺ったところ、膵臓癌であることが判明したそうです。

とはいえ、かなり初期の状態らしく、投薬と手術で対応できるのではないかとのお話でしたので、安心いたしました。

 

癌については、以前もある前兆から食道癌が発覚したことがりました。

これも幸い、初期だったため、オペで完治したのですが、患者さんの体の様々な兆候は、問題の本質を探る大きな手がかりとなりますので、見逃すことのないよう、細心の注意を払って観察しなければなりません。

 

鍼灸師として、様々な患者様と接する日々ですが、今後も、命に関わるような重大な問題を見落とすことがないよう、細心の注意を払って、日々の施術を行いたいと思います。