腰痛の施術は、後ろだけで良い?

「腰の施術は、後ろだけで良い?」

 

腰痛の施術で整骨院とか、整体とか、鍼灸などをご経験されたことがある方は多いと思います。

 

腰といえば、どの部分を指しますか?

腰は英語では「Low Back」

腰痛は、「low back pain」または「lower back pain」と言います。

つまり、「体の裏面の低いところ」

に有るのが、「腰」という事なんですね。

 

ただ、人間の胴体は、大きく上部の胸部と下部の腰部に分かれるはずで、「腰」というのは前も後ろも含むと思うのです。

 

この件は、整形外科の開業医の医師が施術を受けにこられた時にお話ししたのですが、その先生は、私の話に同意しながらも、「医学的にはやはり腰は後ろだけ」

というご意見でした。

 

かくいう私も、鍼灸師になりたての頃は、腰痛治療といえば後面の施術だと思っていましたし、背骨の両サイドにある「脊柱起立筋」が腰痛のメインだと考えていました。

しかし、鍼灸師会の勉強会で、

「腰痛、特に急性腰痛症(ぎっくり腰)の施術は、腸腰筋群に対して行わないと治らない。」

ということを学び、考えが変わりました。

 

図に示す通り、腸腰筋群というのは、「大腰筋」と「腸骨筋」の総称なんですが、このうちぎっくり腰の原因となるのは「腸骨筋」が大半なのです。

そしてこの腸骨筋は、その名の通り腸骨の内側に大きく広がる筋肉で、後面から前面まで広がっています。

また、この腸骨筋は腸骨の裏側に位置していますので、体表面から直接狙うことが出来るポイントが限られてしまうのが難しい所なのです。

施術の方針としては、まず、後面の腸骨上縁から下方に向かって3寸の鍼を打ち込むのですが、3寸の鍼を使っても体格によっては1−2cmしか腸骨筋に入れることができず、電気刺激を加えても後面部分にしか刺激が入りません。

そこで、前面の部分。場所で言えば上前腸骨棘という部分のあたりからも腸骨筋を狙って刺鍼し、さらに電気刺激を加えます。

 

経験的には、後面だけでは「まだ痛みがある」という方でも、前面を追加すると痛みが軽くなる方がほとんどです。

 

理由は、「前面を加えた方が、広く筋肉に刺激が入れられるから」という単純な事なんですが、鍼灸施術に慣れた患者さんでも前面から腰の施術を受けたことはないと言われるので、まあ、まだまだやる人は少ないのだと思います。

 

要は、「腰」というのは後ろだけではなく、前の部分も腰で有るはずで、だからこそ、腰痛施術をする際にはうつ伏せで背面を施術するだけでは不十分だと考えています。

 

長く腰痛で悩んでいる。いろいろ施術を受けたが、改善しない、などでお悩みの方は、もしかすると腸骨筋が関わっているために今受けている背面だけの施術では不十分なのかもしれません。

 

腰痛でお悩みであれば、ぜひ一度当院の施術を受けてみてください。

今までのお悩みが解消するかもしれませんよ。

 

いぶき館はあなたの笑顔のために、全力を尽くします。