便秘の鍼についてご紹介します。

便秘の鍼についてご紹介します。

 

便秘でお悩みの方は多いですね。

ほとんどが女性ですが、まれにご高齢の男性でお悩みの方が来院されます。

 

女性が便秘になりやすいのは、腸が長いからと言われています。

腸は、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなりますが、女性の場合は横行結腸の部分が長いために下に垂れ下がりやすく、便秘を引き起こし易い言われています。

それなら逆立ちなどすれば良いんじゃないかと考えていたら、ヨガで、便秘解消のポーズとして紹介されていました。

私の場合は、合気道家なので、受け身の稽古なんかも便秘に限らず、内臓全体に刺激が入るので良いのではないかと思っています。

 

さて、便秘の対応方法ですが、まず第一に水分を十分摂る事です。

水分不足であれば、当然便は硬くなり、詰まり易くなりますので、十分な水分

具体的には、体重の数字に30をかけて出た数字。

50kgなら1500cc。70kgなら2100ccが1日に必要な水分量です。

 

さらに適度な運動。歩行とか、体操とか、なんでも良いです。

一週間に2.5時間以上の運動を行うと、免疫機能が上がるとも言われていますが、便通に対しても当然有効ですので、激しくなくても良いので、運動を心がけましょう。

 

これらをやってもダメな時。鍼が便秘には有効です。

やり方は以下の三つ

①へその上下左右 約一寸のところに、5mmほど鍼を刺入し、15分ほど置鍼

②左右の大横、腹結に、3番以上の鍼で4cmほど施入し、響きを与える。

③澤田流神門に対して、直接灸3回

 

実は①は副交感神経を優位にして、消化器系を動かす作用があり、便秘ではない方にも行うことが多い施術内容です。

ここに鍼を打つと、消化器系が動き出し、お腹から音がすることが多いです。

さらに慣れた方だと、「打ちますよ」とお腹を出しただけで動き出すこともあります。

副交感神経が優位になれば、消化器系が動き出すので、空腹感が出たり、便秘が改善したりします。

軽度な便秘ならこれだけで治ることも多いです。

 

通常は、「便秘」と言われると、②の方法を使います。

前述の通り、鍼を深く施入して、響きを与えるので、その瞬間は辛いんですが、これはかなり良く効きます。

鍼灸学生時代の実習でも試したことがありますが、抜群の効果で、ほとんどの方はこれで改善します。

 

ただこれでもダメな時。最後の手段が③のお灸です。

これは、手首付近のツボに、お灸で強い刺激を入れるんですが、かなり熱いので、最後の手段でほとんど使うことはないんですが、効果は高いです。

 

もちろん、便秘と言うのは消化器系の問題だし、全身のバランスも関わってくるので、実際には全身への施術も併用した方が良いし、「便秘」だけで施術に来られる方は滅多におられないので、基本は全身施術の一環として行うわけですが、便秘は「滞り」なので、東洋医学的には出来るだけ改善したいと考えており、事前の問診で「便秘」がれば、必ずなんらかのアプローチを行う様にしています。

 

便秘でお悩みの皆様。

対策の一つとして、鍼灸施術も検討してみてはいかがでしょうか?