温める? 冷やす?

温める?冷やす?

 

患者さんからよく質問を受けるのは、

「腰痛の時は温めるべきか?冷やすべきか?」

と言うことです。

痛みに対して、温めた方が良いのか、冷やした方が良いのか、と言うのは、実はあまり理解されていないことが多いみたいで、医療従事者でも間違えている例がありました。

 

基本は

「冷やすのは急性期。温めるのは慢性期」

と、思えていただければ良いかと思います。

 

この場合の急性期と言うのは、救急救命などが必要なような状態ではなく、

捻挫(靭帯の外傷)、打撲(衝撃による、筋繊維や血管の損傷)

、挫傷(筋肉や腱の外力による怪我)などの、整骨院が担当する分野のものです。

 

一般的には、スポーツで起こりやすい怪我ですね。

 

これらの怪我に対しては、急性期の処置が大変重要です。

教科書的には「急性期」と言うのは状態により異なりますが、

24時間〜72時間。

一週間ぐらい経つと「回復期」と言う時期になります。

 

急性期に覚えておいていただきたいのは、「RICE」

RICEと云うのは、

Rest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の四つの単語の頭文字を取ったもので、捻挫、打撲、挫傷時の応急手当て方法を表した言葉です。

 

もう少し細かく書くと、

まず、問題があるときは、

Rest、運動を中止し、安静にします。

 

次に、Icing(氷などで患部を冷却)することで、炎症によって患部が腫れ上がったり、痛みが出ることを抑えます。冷却方法の詳細は長くなるので書きませんが、色々な方法があるので、スポーツをする方は、知っておくことは重要です。

 

そして可能であればCompression(圧迫)を、テーピングなどで行い、内出血や炎症の増大を防ぐことができます。これについても、本が1冊書けるほどの内容になりますので、必要に応じて調べて、ある程度の方法を知っておいていただくのは重要だと思います。

 

そして最後のElevation(挙上)ですが、これは、幹部を心臓より高くあげることで幹部の内出血、炎症の進行を抑える効果があります。

テレビなどで、良く、脚の骨折で入院した人が脚を高くしてベッドに寝ているシーンがありますが、あれがElevationです。

 

長くなりましたが、要は、「冷やす」のは急性期だけと覚えておいてください。

しかも、「冷やす」だけではなく、RICEをセットで行うことが重要です。

 

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長くなってしまいましたので、次回、「温める」お話を書かせていただきます。