初回の問診について

どこの病院でも、鍼灸院でも、同じことだと思うんですが、初めて来られた患者さんには初回の問診を行います。

 

ギックリ腰みたいな、明らかな急性症状の場合は、患者さんが物凄く痛がっているので、例外的にほとんど問診に時間をかけずに、直ぐに施術をすることもあるんですが、普通は最低でも10分程度

長い時は1時間近くお話を伺うこともあります。

 

何でそんなに時間がかかるのかといえば、以前、西洋医学と東洋医学の違いをご紹介した際にも書きましたが、その方の生活習慣、仕事での体の使い方、睡眠時間・質、食事や水分の取り方。さらに、東洋医学独特の「舌脈所見」などもみます。これは舌の色・形、脈の形・強さを診るもので、重要な判断基準となることがあります。

 

私の場合、ここからさらに服薬中のお薬についても細かく聞いていきます。

 

私が基本的に健康だからなのかもしれませんが、私はどこの鍼灸院、整骨院、内科でも「服薬中のお薬」について聞かれた経験がほとんどありません。

唯一、九州がんセンターで声帯ポリープの治療をする際は、「お薬手帳をお持ちください」と言われましたが、あれ以外には事前に服薬中の薬を聞かれた記憶がありません。

まあ、普通の鍼灸師や柔道整復師は薬についての知識が殆どないので、仕方がないと思うのですが、内科系の医師もそういえば聞かれたことないなぁ、と、今気がつきました。

 

考えてみれば不思議な話です。

 

今、どんなお薬を飲んでいるかが判ると、医師の治療方針や、その疾患についての考え方がわかります。

当院では、主に「自律神経失調症」「うつ病」「不眠」「消化器系の不調」「頭痛」などで来院される方が多いのですが、ほとんどの方は何らかのお薬の処方を受けています。

いろいろな病院に「長く通院しているが、変化がない」という方が多いのです。

そのため、私は先ほどご紹介した生活習慣と同じ様に、服薬内容を重視しています。

 

と言いますのも、私は、外資系の製薬会社で17年ほどMR(営業)をしていましたので、1000人以上の医師と関わり、多くのお薬の情報を医師に提供し、収集し、関係するお薬の情報を細かく、細かく情報収集し医師に提供したりしていました。

そいうい経験もあり、患者様が服薬されているお薬をみれば、大体、医師の治療方針とか、病状などが判るわけです。

その為、初回は、可能な限り、お薬手帳などを見せていただく様にしています。

 

とはいえ、最近は殆どがジェネリックで、名前が製品名ではなく一般名(成分名)になっているので、「えーっと、これはそもそも新薬名は何だっけ?」といちいち調べなければわからないことも多くなり、面倒ではありますが。

 

長くなりましたが、当院では、これらのことを細かく伺うため、症状によっては初回の問診が長くなることがあります。

そのため、「自律神経失調症」「うつ病」「不眠」などで来院される場合は、初回は施術時間を含めて2時間確保する様にしています。

 

最近は、どこでも「Web予約」が当たり前で、当院も一度は導入を試みたのですが、患者さんの症状によって必要な時間が異なり、導入を諦めました。

 

初回問診で可能な限り問題点を明確にし、可能な限り短期間で問題点を解決したいというのが私の施術方針です。

従って、初回に、プライベートな情報や、生活習慣、その他まで踏み入ってお話を聞くこともありますが、ご容赦いただければ幸いです。

 

いぶき館はあなたの笑顔の為に、今後も、全力を尽くし続けます。