胃の冷え

鍼灸院を開いてますと、何故か、時々同じ症状の方が続くことがあります。
ギックリ腰なんかはもうしょっちゅうで、1日に3人とか普通にあります。


過去には、顔面麻痺、橈骨神経麻痺(手首から先がブラブラの状態)、頸椎症性神経根症(五十肩に似た症状)などがありました。
今回経験したのは、胃痛、頭痛、全身倦怠感、手足の冷えなどを抱えた方。3人ほど、一週間の間にこられ、ちょっと驚きました。
これらの方に共通しているのは、いわゆる「自律神経失調」


自律神経というのを簡単に説明すると、交感神経と副交感神経のセットなんですが、交感神経は戦うための神経。副交感神経は休むための神経です。
一般的に自律神経失調症といわれる方々は交感神経の過剰な活動が原因です。
交感神経が活発になると、まずは、眠れなくなります。戦うときに眠くなっては困りますから。
さらに排尿、排便に行きたくなっても困るので、消化器系も動きが悪くなります。→お腹が冷えます。
そして、戦いで手足を切られたりしたときに出血を抑えるために、抹消の血流を抑えます。→手足が冷えます。

 

こういう状態ですから、自律神経を整えるのは勿論なんですが、逆に胃腸を動かしてやると、副交感神経が活発になり、バランスが取れるようにもなります。
そこで、私は全身施術は勿論なんですが、背中とお腹へのお灸を大変よく使います。勿論効果も高いです。

 

図に示したような背中の下の方に6箇所「胃の六つ灸」と書いた場所がありますが、ここが、胃の調子を整えるために灸をする基本となる場所です。実際は、この6箇所にこだわらず、触診で嫌な感じがするところとか、患者さんに聞いて、気持ち悪いところとかにも灸を足すので、10箇所以上やる場合もあります。


背面上部は、自律神経その他、体調を整えるために使います。
ちなみに背部については、千年灸みたいな台座灸ではなく、もぐさを米粒の半分程度の大きさにして燃やす「直接灸」を行います。熱いのは一瞬ですが、これを3−4回繰り返します。
さらに腹部についても触診と問診で問題点を探し、ここにも灸をします。こちらは台座灸を使うことが多いです。

さらに、手足の数カ所にも灸を足し、施術を行っていきます。
多くの方が、1回の施術で変化を感じていただけていますが、完治までにはやはり時間がかかります。
2−3ヶ月は要するかなというのが経験的なところです。

 

上記の様な症状でお困りの方は、一度ご相談いただければ幸いです。