ここに書くことは、あくまで経験的なことで、全ての事例に当てはまるわけではないんですが、「坐骨神経痛と言われて長いこと病院にかかってるけど治らない」という方が何人か当院で劇的に改善した経験がりましたので、ご紹介しておきます。
最初に断っておきますが、これは私の腕がすごい、ということではなくで、単なる見立て間違えの問題です。
さて「坐骨神経痛」と診断されると、最近ではリリカやトラムセットなんかも割と気軽に処方が出たりするんですが、まあ、効けば良いんですが、全然効かないまま数ヶ月投与され続ける、なんていう例もちょくちょく見ます。
本来リリカは「神経障害性疼痛や線維筋痛症に伴う疼痛」に対する薬だし、トラムセットは「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛」の薬なんで、坐骨神経痛なんかに出して良いとは思えないんですが、まあ多いですね。驚きます。
神経痛ならこういう薬が効いても良さそうなものなのに、なんで効かないのか?
経験した例では、「そもそも坐骨神経痛ではない」というのが多いです。
上図で示した赤い線が「坐骨神経」
黄色い部分が通常「坐骨神経痛」が発症しやすい場所です。
この黄色い部分はなんともなく、青い部分が痛い、という例が何人かおられました。
いずれもリリカなどの薬剤を投与されても効果がなく、当院に来られたのですが、そもそもこの青い部分は坐骨神経の支配領域ではないので、ここが痛くなっても「坐骨神経痛」と判断するのはどうかなと思うのです。まあ、ここが痛くなることもあるらしいのですが、少なくとも「坐骨神経痛」と安易に判断するのは間違いと思います。
で、当院に来られた方は何が原因だったのかと言いますと、以下のコラムでご紹介した「腸骨筋」が原因で神経を圧迫して発症している痛みでした。
ぎっくり腰の治し方⇒ https://www.shinq-compass.jp/salon/column/1197/3992/
ですので、ぎっくり腰と同様の方法で腸骨筋を緩めてみたら、痛みがピタリと止まりました。
また、つい先日経験した方は、発症状況が明らかに急性症状を示してるのに、MRIでヘルニアが見えたために、「ヘルニアによる坐骨神経痛」と診断され、それこそリリカを大量投与されて2ヶ月も通院して変化がなく、他の整形外科ではオペの可能性まで言われたそうなんです。
で、うちに来られたんですが、これも全く坐骨神経痛ではなく、広く筋肉を痛めているだけで、鍼で刺激しただけで1回でほぼ完治してしまいました。
整形外科医の立場で考えれば、西洋医学というのは再現性が大切なので、客観的な指標で判断しなければならず、MRIでヘルニアが確認できればそれが原因を考えてしまうのはわからんでもないんですけどね。
ただ、当院に来られる前に、いくつか鍼灸院も行ったけれど、そこでも何の変化もなかったそうで、鍼灸師も医師の診断を鵜呑みにしちゃったんだろうなぁ、と残念でなりません。
実際、MRIでヘルニアが確認されても、それと症状が全然関係していないことは多々あります。
ご注意ください。
ヘルニアに限らず、整形外科で治療を受けてるけど1ヶ月以上全然変化がない、という方。
その診断は間違いかもしれません。
もう一度信頼できる治療家に相談してみてください。
もちろん、当院もいつでもお待ちしております。